Unreal Engine 5.7 へのアップグレードで気をつけたいこと

2026 年に Unreal Engine 5.7 がリリースされ、Nanite や MegaLights 周りの最適化をはじめ、多数の機能追加と既存機能の改善が行われました。大規模なシーンでも以前より安定したパフォーマンスを出せるようになっており、積極的にアップグレードしたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
ただし、マイナーバージョンアップであっても、プロジェクトのアップグレード作業には入念な事前準備が欠かせません。準備を怠ると、アップグレード後にビルドが通らなくなったり、動作が不安定になったりといった問題を招きやすくなります。
本記事では、Unreal Engine 5.7 へアップグレードする前に確認しておきたいチェック項目と、実際の作業をスムーズに進めるための手順を解説します。

アップグレード前のチェックリスト

作業に取りかかる前に、以下の 3 点を確認しておきましょう。どれも当たり前に見えるかもしれませんが、後から問題が発覚したときに泣かないための大切な準備です。

1. プロジェクトのバックアップを取る

アップグレード作業は不可逆な変更を伴うため、必ず事前にプロジェクト全体のバックアップを取っておきます。Git で管理している場合はコミット済みであることを確認したうえで、さらに別途ローカルにコピーを残しておくと安心です。
アップグレード後に元のバージョンへ戻す必要が出てきた場合、バックアップの有無で復旧コストが大きく変わります。

2. プラグインの対応状況を確認する

プロジェクトで使用しているプラグインが、すべて Unreal Engine 5.7 に対応しているかを確認します。Fab や Marketplace で公開されているプラグインは、新しいバージョンへの追従が遅れる場合があります。独自に開発した C++ プラグインを利用している場合は、API の変更に合わせた修正が必要になることもあります。
未対応のプラグインがある場合は、代替プラグインへの置き換えや、対応版がリリースされるまでアップグレードを延期することを検討してください。

3. リリースノートで破壊的変更を確認する

Epic Games が公開している Unreal Engine 5.7 のリリースノートには、非推奨化された API や挙動が変更された機能の一覧が掲載されています。プロジェクトで使っている機能に影響がないか、事前にざっと目を通しておきましょう。
特に C++ で独自実装している機能は、ヘッダーファイルの配置変更や関数シグネチャの変更による影響を受けやすいため、重点的に確認することをおすすめします。

アップグレード時の実践的な進め方

チェックリストを確認できたら、いよいよ実際のアップグレード作業に入ります。以下の手順で進めることで、トラブルを最小限に抑えられます。

  1. アップグレード専用のブランチを切る
    main ブランチで直接作業するのは避け、アップグレード専用のブランチを作成してから作業を始めます。問題が発生したときに容易に切り戻せるうえ、既存の開発フローとも競合しにくくなります。
  2. エディタで開いてプロジェクトを変換する
    Unreal Engine 5.7 を起動し、プロジェクトを選択してアップグレードを実行します。このとき警告やエラーログが表示されても慌てず、すべてログに記録しておき、後でまとめて確認するようにします。
  3. コンパイルエラーを順に修正する
    C++ プロジェクトの場合、最初のビルドで複数のコンパイルエラーが発生するのが一般的です。非推奨化された API の置き換えを中心に、ひとつずつ潰していきます。エラーの修正方法に迷った場合は、該当 API の公式ドキュメントや Unreal Engine のフォーラムを検索すると解決策が見つかることが多いです。
  4. 主要な機能を手動で動作確認する
    ビルドが通っても、ゲーム中の挙動が変わっている可能性があります。主要なゲームプレイループ、UI、セーブ機能、マルチプレイ関連の処理などを一通り動作確認してから作業を完了とします。

まとめ

Unreal Engine 5.7 へのアップグレードは、事前準備の有無で作業の難易度が大きく変わります。プロジェクトのバックアップ、プラグインの対応状況、リリースノートの確認という 3 点を押さえたうえで、専用ブランチで段階的に進めることがトラブル回避の鍵です。
新バージョンの恩恵を安全に取り入れるためにも、本記事のチェックリストを活用して計画的なアップグレードを行ってください。